統計学的に西野ジャパンのパス回し、時間稼ぎ戦略は正しかったのか

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※もしもっとこういう数字やデータを入れたほうがいいなどあればぜひお問い合わせフォームやコメント欄に書き込みをお願いします。

いやー昨晩の日本VSベルギーは惜しかったのですね。

日本のワールドカップはこれで一段落ということで、または優勝チームがどこになるかというところが気になりますね。

個人的にはクロアチア応援しています。

さて、今日はちょっと時間があるのでだいぶ乗り遅れてしまいましたが、日本対ポーランド戦のパス回し、時間稼ぎ戦略は統計学的に正しかったのかということを考えていきたいと思います。

というのは、今回の時間稼ぎ戦略は賛否両論あるものの、誰も数字で語っていないのでどの意見も説得力に欠けるのです。

例えばこのツイートや、

この記事を見ると、

橋下徹氏が日本の“時間稼ぎ”に持論「批判するのは頭の悪い証拠」 | ゲキサカ
前大阪市長の橋下徹氏が6月30日、自身のツイッター(@hashimoto_lo)を更新し、28日のポーランド戦で物議を醸した日本代表の終盤のボール回しについて持論を述べた。 日本はポーランド戦の終盤に0-1とリードを許...

起業家系は肯定的に捉えてる人が多いって言うけど、結果的に決勝トーナメントに進めたからよかったもののセネガルが点とったらどうだったんねん※とは思いますよね。

※セネガルが0-1で負けてたが、1-1になったら日本は決勝トーナメントに行けなかった。日本はポーランドに引き分けたらどんな結果でも行ける

というわけで、西野ジャパンの時間稼ぎ戦略が本当に統計学的に正しかったのかを考察していきたいと思います。

ちなみにフェアプレーが~とかいうのは考えないことにします。ルールの中で結果のみを考えて動くことが最高のフェアプレーだと私は考えているので。今回のプレーにフェアプレー的に問題があると思うならそれはルールのほうが悪いと私は考えます。

【1】どのデータを考えるか

まずワールドカップの試合は8グループ48試合のリーグ戦と16試合のトーナメント戦(3位決定戦を含む)で合計64の試合があります。

ワールドカップを1998年のフランス大会から2014年のブラジル大会までの5大会分、160試合のデータで考えたいと思います。

【2】データの単純化

ではこの5大会でまずは何分あたりで1ゴール決まっているのか見ていきましょう。

大会名合計試合時間
(ロスタイム含まず)
ゴール数1ゴールあたりの所要時間(分)
1998年フランス588017134.3
2002年日韓588016136.5
2006年ドイツ591014740.2
2010年南アフリカ585014540.3
2014年ブラジル594017134.7
合計2946079537.0(平均)

単純に160試合を見ていくと、平均37分に1点が入っていることがわかります。

残り10分を残して安全策に走り、時間稼ぎをした日本ーポーランド戦は時間稼ぎを始めた段階でポーランドがボールを奪いに来なかったので得点が入る確率は0だと考えると、このデータだけを見れば、

86.5% 
※セネガルーコロンビア戦で残り10分でセネガルが得点がいれない確率。計算式は10(時間稼ぎを始めた時の残り時間)÷37(平均1点取得時間)÷2(コロンビアが点を入れる可能性もあるため)=13.5%(セネガルが残り10分で点を入れる確率)

の確率でパス回しをすることで時間を稼ぐことによって日本はトーナメントに行けたと考えることができます。

もちろんセネガルはこのままでは決勝トーナメントに行けずに猛攻をしていましたし、単純にこの数字だけでは図ることはできませんが、思っていた以上に決勝トーナメントに行ける確率高かったんですね。

【3】もし普通に戦っていた場合の確率

もし残り10分間を普通に戦っていた場合は27%の確率で日本かポーランドが点を入れることだけを考えると

  • 日本が点を入れる(13.5%)
    →引き分けになり決勝トーナメント決定
  • ポーランドが点を入れる(13.5%)
    →日本は0-2で負けて、リーグ戦敗退
  • 点は入らず(73%)
    →セネガル次第。

となり、どちらにせよ時間稼ぎをしなくても決勝トーナメントに行ける確率は変わりません(相手の強さなどを考慮していないため)。

【4】イエローカードをもらう確率まで考えると時間稼ぎは確率的には有効だった

ただ、イエローカードをもらう可能性があったため時間稼ぎ戦略は有効であったと考えられます。

ロシアワールドカップ限定のデータになりますが、

総試合時間(日本ーベルギー戦が終わった時まで)4920分(ロスタイム含まず)で、

  • イエローカード 179枚
  • レッドカード 3枚

でているので、イエローカードが出される可能性は27分に一回、レッドカードが出される可能性は1640分に一回となっています。

残り10分間で

試合が終わった時点でフェアプレーポイントは

  • 日本 4点
    →対コロンビア イエローカード1枚
    →対セネガル イエローカード2枚
    →対ポーランド イエローカード1枚
  • セネガル 6点
    →対ポーランド イエローカード2枚
    →対日本 イエローカード3枚
    →対コロンビア イエローカード1枚

となっており、フェアプレーポイントで2ポイント日本は上回っていました。

フェアプレーポイントは

  • イエローカード:1ポイント
  • イエローカード累積(2枚)での退場:3ポイント
  • レッドカード一発退場:4ポイント
  • イエローカード+レッドカード一発退場:5ポイント

となっているので、誰かが退場したら一発でだめですし、積極的に攻めていったら10分間でイエローカードを2枚もらう可能性もあります。

残り10分間でイエローカード二枚もらう確率は13.5%、レッドカードをもらう確率は0.6%ですので、時間稼ぎをすることでイエローカードやレッドカードをもらう確率をほぼ0にできたと考えられます。

まとめ 西野監督のパス回し戦略は正しかった

結果の追求をして時間稼ぎの判断をした西野監督は正しかったと言えると思います。

この記事を書いてやっとパス回し、時間稼ぎ戦略が腑に落ちました。

次回のワールドカップこそ、ぜひともベスト8以上の結果を残してほしいですね。

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